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北新地ビル放火事件への対応について

 

北新地ビル放火事件への対応

 令和3年12月17日朝10時20分過ぎに、大阪市北区北新地付近の診療所で放火事件が発生。12月21日の時点で、25人が死亡。3名の方が治療中と報じられています。被災された方の多くが、放火された診療所の通院患者さんとスタッフでありました。大精診(大阪精神科診療所協会)の会員でもある院長先生の死亡も報じられたところです。
 お亡くなりになられた方々とご家族の皆様に心からのお悔やみを申し上げます。また現在も治療中の方々の一日も早いご回復を祈念しています。

 西梅田メンタルクリニックは「働く人のこころとからだのクリニック」というネーミングに表されているように、精神科デイケア制度を利用して、診療所内でリワークプログラムを実践し、メンタルストレス者の職場復帰に成果を上げるなど薬物治療、精神療法に加えて、社会・心理的な治療にも積極的で患者さんの評判も良く、多くの患者さんから支持されていました。通院中の皆様は通っていた診療所が大事件の現場となり、顔なじみのスタッフの安否も分からず、もし事件発生が別の時間帯であったら自分自身が被害者となっていたかもしれないという恐怖と、通院先が突然診療不能となり、今後の治療がどうなるのかという二重三重の不安の中におられると思われます。
 同じ診療所で働く者として当然ながら他人事ではありません。今我々に何ができるのか、何をしなければならないのかを考えなければなりません。
 事件発生日の午後には、大阪府から、西梅田こころとからだのクリニックに現在通院中の患者さんたちの当面の治療継続についての要請が大精診に入っております。この方々から診療についての問い合わせがあれば、可能な限り速やかに診療に応じていただけるように、18日の時点で大精診の全会員に通知を行っております。同クリニックは交通の便の良い立地もあり、大阪府内のみならず兵庫県や奈良県など他府県からの患者さんも多かったようで、近畿地区の日精診会員にも同様のお願いをしております。新たに診察を受けていただく場合には皆さんが現在利用中の精神通院公費も特別な変更手続きなしで、そのまま適応できるように行政と調整中であります。
 亡くなられた先生は松原市内の診療所でも診療にあたっておられましたので、西梅田こころとからだのクリニックだけでなく、松原市の西澤クリニックに通院されていた方々にも同様の対応ができるように調整中です。
 今後の通院先を探しておられる場合は、大精診の会員リストにある最寄りの医療機関にまず電話でご相談していただきますようにお願いいたします。

 次に我々が考えなければならないのは、それぞれの診療所における防災対策の再点検です。避難経路の確認、防火設備の点検、緊急時の職員の行動管理についてのマニュアル等の作成の検討など、できることについて診療所のスタッフみんなで、よく検討していただきたいと思います。今回の事件を契機として診療所で働くスタッフにもかなりの動揺や不安が生じていると思われます。その対策のためにも各診療所でいま一度緊急時の対応について、スタッフ全員で知恵を出し合い、話し合う機会を設けていただきたいと思います。危機管理を見直すことが、診療所に通院していただいている患者さんやそのご家族の皆様の安心につながればと思います。

 最後になりますが、この事件により、患者さんや、我々医療従事者へのいわれのない誤解や偏見が拡まらないようなご配慮を関係各位にもよろしくお願い申し上げます。
 被害にあった診療所に通院されていた患者さんの今後の診療継続への協力と会員診療所に通院されている皆様が安心して通院できるように、大精診会員と会員診療所のスタッフみんなで取り組んでまいります。

令和3年12月21日
(公社)大阪精神科診療所協会 会長 堤 俊仁


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